2022年12月23日に公開された映画『かがみの孤城』が、2024年2月9日夜9時から金曜ロードショーで放送されます。
映画『かがみの孤城』は国内外で高評価を受け、今回地上波初放送ということで話題となっています。
この記事では、作者が作品を通して伝えたかったことを調査しました。
また、まだ映画を観ていない人のために、あらすじと考察もご紹介。
公開時に映画を観た人もそうでない人も、この記事を参考に地上波での放送を楽しんでいただければ幸いです。
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【かがみの孤城】あらすじ
では、さっそく作品の概要やあらすじをご紹介します。
作品概要
『かがみの孤城』の原作は2018年の本屋大賞をはじめ、数多くの賞に輝いた辻村深月さんの同名小説です。
それぞれ悩みを抱えた7人の中学生が、鏡の中に吸い込まれ、オオカミの被り物を被った少女に導かれながら進む、ファンタジー・ミステリー。
監督は、映画クレヨンしんちゃんのシリーズなどを手掛けた原恵一さん。
映画『かがみの孤城』は、第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞ほか、海外の映画祭にも出品されるなど、国内外で高い評価を受けました。
當真あみ、北村匠海、芦田愛菜、宮﨑あおいなど、豪華な声優陣にも注目が集まります。
あらすじ
学校での居場所をなくし、家に引きこもっていた中学1年生の主人公・こころ(當真あみ)。
ある日突然部屋の鏡が光り、鏡の中に吸い込まれてしまいます。
吸い込まれた先は、まるでおとぎ話に出てくるお城の中で、そこには同じような境遇の見ず知らずの6人の中学生が集められていました。
そこに現れたのはオオカミの仮面を被った少女(=オオカミさま)。
オオカミさまは7人に、ここに集められた7人は選ばれしものたちで、城の中に隠された鍵を見つけた人は、どんな願いもかなえることができると告げます。
こころは始めは戸惑っていましたが、7人の共通点が判明し、徐々に打ち解けあいます。
鍵を探す期限は3月30日(約1年間)とされており、次第にお城のなかが7人にとって特別な場所になりつつあるとき、ある出来事が起こります。
果たして鍵は見つかるのでしょうか。
7人の共通点は何なのか、そして7人の未来はどうなるのでしょうか。
かがみの孤城で印象に残る場面と考察(作者が伝えたいこととは?)
映画『かがみの孤城』の印象的な場面と考察を、ご紹介させていただきます。
作者の辻村深月さんが、作品を通じて伝えたかったことは何か、考えてみました。
①自分の”居場所”はひとつではない
こころの近所に住む同級生・東条萌が、こころに言った「たかが学校のことなのにね」というセリフ。
この一言で、学校だけがすべてではない、と伝えている気がします。
城に集められた7人は、それぞれ学校や家庭で悩みを抱えていて、居場所がないと苦しんでいます。
しかし、城の中の世界では7人で悩みを打ち開けたり、支え合ったりしながら心地よく過ごすことができていました。
『かがみの孤城』のストーリーでは、城の中と現実世界を行ったり来たりしています。
原作者辻村深月さんがインタビューで下記のように話されています。
「今回はよその世界で起きたことを糧にして、現実を生き抜く力にしていくようにしたかったんです」
インタビュー 辻村深月さん 『かがみの孤城』 | 小説丸 (shosetsu-maru.com)
居づらい学校や家庭だけが自分の居場所ではない、他にも自分のいるべき世界、居心地のよい場所はあるよ、ということを伝えたかったのではないでしょうか。
②「助け」を求めてもいい
不登校になり始めたこころに、母親はどちらかというと否定的で冷たい印象がありました。
しかし、こころが学校に「行きたくない」のではなく、いじめが怖くて「行けない」と打ち明け、母親に助けを求めると、母親はこころに寄り添ってくれるようになりました。
こころの告白のあと、母親がこころを抱きしめ「闘おう」と言ったシーンが印象的です。
いじめられていることで、「自分が悪い、自分なんて」と自己肯定感が下がり、「助けを求めても誰も助けてくれない」と思い込んでしまいます。
内気でなかなか思っていることを言葉にすることができないこころは、誰にも助けてと手を伸ばすことが出来なかったのでしょう。
この映画では、自分から求めると必ず助けてくれる人はいる、ということを教えてくれているのではないでしょうか。
③大人も”完璧”ではない
ストーリーのメインは中学生たちですが、子供たちに対する大人の言動や対応にも考えさせられます。
こころの担任・伊田先生は、一見生徒想いのいい先生ですが、こころのいじめに対してきちんと向き合わず真剣に対応していませんでした。
いじめの問題は複雑で、先生にとって面倒な問題ととられがちなので、事なかれ主義で大きな問題にしたくなかったのでしょう。
また、こころの母親も始めは不登校の心に対して否定的で、理解をしていませんでした。
しかし、フリースクールの喜多嶋先生がこころの母親にはたらきかけ、母親は次第にこころを理解するようになり、強い味方になっていきました。
こころの母親は、こころの本心がわからず、どう接するのが正解か悩んでいたのでしょうね。
大人だからといって、いつも正解を出せるわけではなく、子どもと同じように悩み苦しんで、人に助けられて生きている、ということを伝えられているような気がします。
こころが母親にいじめられていることを打ち明けた際、「気づいてあげられなくてごめん」と泣いて謝った場面は、母親のこれまでのこころへの接し方の、後悔や反省がこめられていたように思います。
かがみの孤城の感想・評価・口コミ
映画『かがみの孤城』のX上での評価や口コミを見てみましょう。
良い評価
まずは良い評価の投稿です。
一番多かったのは、原作・映画共に泣けるほどよいという口コミです。
明日の金曜ロードショー『かがみの孤城』は原作を踏まえて尚よい映画化でした。
— ⛩有希⛩ (@Yuki_MHK) February 8, 2024
小説版も映画版も最高なので是非とも見てほしい。
劇場で泣いた数少ない経験です。
ラストがすっきりまとまって、感動的という声も多数ありました。
来週の金ローで放送される『かがみの孤城』は絶対に観てほしい…
— ran (@___lilyvalley) February 3, 2024
ラスト、全てが繋がったとき涙が止まらなくなる。
学校や目の前にある現実だけが全てじゃなくて、君たちにはもっと他に拠り所があるんだよってメッセージ性のある優しくて素敵な映画です。 pic.twitter.com/uSXoktysmQ
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— うつけもん《さとガル》 (@utukemon777) February 12, 2023
「かがみの孤城」鑑賞🎬
久しぶりに傑作だなぁと思った作品でした✨🎥
「聲の形」って映画があるけど、この作品も聲の形同様、必要としている人が世の中に沢山いるんじゃないかなぁと思う…(子ども、大人限らず)。
ちょいとホロりときた作品でした👏
観て良かった✨#映画鑑賞 #かがみの孤城 #傑作 pic.twitter.com/WqI1JcMzQw
メッセージが強い映画で、子供だけでなく大人も観てよかったという口コミもありました。
ラストだけでなく、途中何度も涙が出てくるという人もいました。
低い評価
次に、あまり良くなかった、という投稿です。
ストーリーが、ファンタジー・ミステリーなため、謎な部分が多く、観終わった後に納得できない人もいました。
「かがみの孤城」は、主役の苦悩が丁寧に描かれていたけど、「なんで狼に食われるの?」「どうして願いが叶うの?」という「城」のシステムが、イマイチ納得できなかったが、まぁ、そこを気にする映画じゃないんだろうなぁ
— むら (@mura_note) January 7, 2023
あと、それだけ一緒にいたら、「気づくだろ」と思わんでも
原作の小説が良かっただけに、映画にも期待してしまい、がっかりとの声もありました。
また、良い口コミでは、ラストで伏線が回収されすっきりといい終わり方といわれていますが、逆に「解決が安易」と低評価の投稿も。
今日は「かがみの孤城」を観てきました。アニメ映画が好きなわけではないですが、辻村深月さんは大好きな作家だし本屋大賞だし。生きづらい思いには共感するしファンタジー映画が好きな人にはいいんでしょうけど、なんか解決が安易で私たちにはイマイチでした。
— 林信成 (@ivrist54) January 4, 2023
『かがみの孤城』
— てんびんばかり (@PNYhSo6XINOLlZV) June 20, 2023
辻村深月さんの原作で原恵一監督さんのアニメ映画。うーん、原作は個人の話詳しいんだろうけど、映画だとそこら辺カットされてるんだろうなぁ…
ちょっと個々の個性がよくわからないうちに終わっちゃった気がしました。
真実はいつもひとつ❗️が一番ウケました。 pic.twitter.com/JSdeTXoozP
登場人物の個性をもっとよく見たかったとの口コミもありました。
やはり映画は小説とは違い、時間内に収める必要があるので、一人ひとりのきゃらを深く掘り下げるのは難しいのでしょうね。
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まとめ
この記事では、『かがみの孤城』の作者が作品を通して伝えたかったことを調査しました。
●『かがみの孤城』は、2018年の本屋大賞に輝いた辻村深月さんの『かがみの孤城』をアニメ化した映画
●悩みを抱える7人の中学生が鏡の中と現実世界で繰り広げる、ファンタジー・ミステリー
●作者が伝えたかった事とは・・・(考察)
①自分の”居場所”はひとつではない
②「助け」を求めてもいい
③大人も”完璧”ではない
●『かがみの孤城』の評価は・・・
・総体的には、子供も大人も見るべき、と高評価
・原作が高評価なだけに、映画では物足りないという声も。
いかがでしたでしょうか。
これまでありそうでなかった、子供の悩みや苦しみからどのように救えばいいのか、を教えてくれる映画。
いじめや家庭内での問題は、複雑で根本解決が難しいですが、この作品では「解決」を求めるのではなく、苦しんでいる子供の「逃げ場」を用意してあげる重要性を伝えてくれています。
やはり子供を守るのは大人で、大人もかつては子供。
だからこそ大人は、自分の子供時代も思い出して、できる限り子供に寄り添っていけたら、少しはどんな子供も息がしやすい世の中になるのではないでしょうか。
小説『かがみの孤城』は児童文学ですが、小説も映画も子供から大人までが観て、何かを感じて学べる映画だと思います。
ぜひご家族で観てみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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