すずめの戸締まり呪文全文と意味を解説!セリフの元ネタは祝詞(のりと)?

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2022年11月11日に公開され、日本国外から高い評価を受けた映画「すずめの戸締まり」が、2024年4月5日に「金曜ロードショー」で本編ノーカットで地上波初放送されます。

映画未視聴の人だけでなく、すでに映画館で視聴済みの方も楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

公開当初から、劇中で閉じ師の草太が唱える呪文のようなものに注目が集まり、ネット上で「草太の呪文はなんて言ってる?」「意味は何?」と話題となっていました。

そこでこの記事では、映画「すずめの戸締り」の劇中の呪文全文と意味を解説します。

これから視聴する予定の人には予習として、すでに視聴済みの方もおさらいとして読んでいただければ幸いです。

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目次

すずめの戸締まり「呪文」全文

ではさっそく、劇中で草太が後ろ戸を閉めるときに言っている呪文は、何と言っているのか見ていきましょう。

まずは、ひらがなでの全文はこちら↓

ひらがな

かけまくもかしこきひみずのかみよ。

とおつみおやのうぶすなよ。

ひさしくはいりょうつかまつったこのやまかわ、

かしこみかしこみ、つつしんでおかえしもうす。

全部ひらがなでは、読みにくく意味も分かりづらいですね。

続いて漢字を含んだ呪文の全文がこちら↓

漢字

「かけまくしもかしこき日不見(ひみず)の神よ

遠(とお)つ御祖(みおや)の産土(うぶすな)よ

久しく拝領(はいりょう)つかまつったこの山河(やまかわ)、かしこみかしこみ、謹んで・・・お返し申す!!」

漢字を含めて読んでみると、ひらがなよりかは少し意味が分かりそうですよね。

しかし聞きなれない言葉が並び、難しいので次章以降で詳しく解説いきます。

すずめの戸締まり「呪文」の意味

草太の呪文の現代語訳では下記のようになります。

声に出して言うのも畏れ多(おそれおおい))、日不見(ひみず)の神よ。

先祖代々の土地神様よ。

長い間お借りしていたこの土地を、謹んで(つつしんで)お返しいたします。

草太は「閉じ師」として、廃墟となった土地の後ろ戸を閉めながら旅をしています。

廃墟となった土地は、もともと土地の神様のもので、長い間人間がお借りしていたその土地を神様にお返しします、という意味のようです。

土地の神様に祈りを捧げ、願いを言上する礼儀・儀礼として冒頭にいう挨拶みたいなものだと思われます。

すずめの戸締まりの呪文「かしこみ」の元ネタは祝詞(のりと)?

草太の呪文を、なんとなくどこかで聞いたことがある、という人もいるかもしれません。

「かしこみかしこみ・・・」の呪文は、”祝詞”がもとになっていると思われます。

”祝詞”について、詳しく見ていきましょう。

祝詞とは

まず”祝詞”について、下記のように説明があります。

祝詞とは、神事の行事で神主が神前で唱える言葉のことをいいます。

日本人は古くから、言葉には魂があると信じてきました。これを「言霊」と言います。

祝詞を声に出して読むことを奏上といいます。奏上することで、一層のご加護があるとされています。

https://en-park.net/words/7643

草太の唱える呪文は、”呪文”というよりも神様への、決まった文言の丁寧な”挨拶”のようですね。

草太の呪文は祝詞の中でも有名な、”祓詞”というものが近いようです。

”祓詞”の説明は下記のとおりです。

祓詞は基本的に、祭儀に先立ちて読まれるもので、日々の生活で私たちが生む罪や穢れを払い、祭儀やお参りを清らかな状態で行うことを目的としています。

祓詞(はらえことば)とは?原文や読み方+作法や意味や効果を解説 | 神仏.ネット (shinto-bukkyo.net)

”祓詞”のふりがなつきの原文がこちら↓

掛けまくも畏きかけまくもかしこき
伊邪那岐大神いざなぎのおほかみ
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原につくしのひむかのたちばなのをどのあはぎはらに
禊ぎ祓へ給ひし時にみそぎはらへたまひしときに
生り坐せる祓戸の大神等なりませるはらへどのおほかみたち
諸々の禍事・罪・穢もろもろのまがごとつみけがれ
有らむをばあらむをば
祓へ給ひ清め給へとはらへたまひきよめたまへと
白すことを聞こし召せとまをすことをきこしめせと
恐み恐みも白すかしこみかしこみもまをす

祓詞(はらえことば)とは?原文や読み方+作法や意味や効果を解説 | 神仏.ネット (shinto-bukkyo.net)

”祓詞”の現代語訳がこちら↓

口に出してご尊名を申し上げるのも恐れ多い、
イザナギノ大神が、
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で、
禊祓いをなされた時に、
お生まれになった祓戸の大神達よ、
様々な災難・罪・穢れが
ございましたら、
祓いお清めください
と申しますことをお聞き届けくださいませと、
畏れ多くも申し上げます。

祓詞(はらえことば)とは?原文や読み方+作法や意味や効果を解説 | 神仏.ネット (shinto-bukkyo.net)

「すずめの戸締り」の草太の呪文に、なんとなくしっくりくるような気がしますね。

「かしこみ かしこみ」とは

では、呪文の最後の一文の「かしこみかしこみ」とは何なのでしょうか。

調べてみると、下記のような説明がありました。

「かしこみかしこみ」は一言ではなく、「かしこみ」という言葉を二回続けている言葉です。

「かしこみ(畏み)」という言葉の意味は、

恐れる

恐れ多いと思う。かしこまる。

神様という、私たち人が直接ものを申すには恐れ多いほどの偉大な存在に対して、最大級の畏敬の念を持って、お祈りをささげさせていただく

という場面で利用します。

謹んで承る

という意味を持っています。

かしこみかしこみの意味は?祝詞「恐み恐みももうす」の正しい使い方も解説 | 神仏.ネット (shinto-bukkyo.net)

「かしこみ」という言葉は、2回繰り返すことに意味があるようですね。

「かしこみかしこみ」は、口に出すのも恐れ多い神様に最大級の敬意を払い、心から敬う敬う気持ちを表す言葉だそうです。

すずめの戸締まりの呪文に関するSNSの声

「すずめの戸締り」の草太の呪文についえ、ネット上での声を見てみましょう。

断トツで多い感想は「頭から離れなくなる」でした。

なんて言っているのか気になるし、暗記して何度も言いたくなる、という声も。

草太の声を務める、松村北斗さんが呪文を唱えるのがかっこいいという声も多数みられました。

また、家の鍵を閉める度に「お返しもうす!」といって閉めてしまいそう、という人もいました。

とにかく、癖になる呪文で映画をリピート視聴するときには、草太と一緒に唱えるのもおもしろいかもしれませんね。

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まとめ

この記事では、映画「すずめの戸締り」の劇中の呪文全文と意味を解説しました。

●草太の呪文のもとになっているのは、”祝詞”(祓詞)

●土地の神様に最大級の敬意を払いながら、「人間がお借りしていた土地を、神様にお返しします」という意味

いかがでしたでしょうか。

草太が後ろ戸を閉めるときに、必ず唱える「かしこみかしこみ」の呪文。

神様への言葉で、とても深い大事な意味が込められていたのですね。

松村北斗さんの声がとても素敵で、呪文にさらに聞き入ってしまいます。

4月5日の金曜ロードショーではぜひ、呪文を覚えて草太と一緒に心をこめて唱えてみましょう(笑)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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