2024年3月8日に、第47回日本アカデミー賞授賞式が開催されます。
日本アカデミー賞は、1978年から始まった歴史ある映画賞です。
「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典を」という理念の基作られたもので、主催は日本映画界の振興を目的に発足した日本アカデミー賞協会。
毎年授賞式がテレビで放送され話題になっていますが、日本アカデミー賞が始まった当初から「おかしい」「出来レースでは?」という声が上がっているようです。
最近はネット上も同じような意見が広がっています。
そこでこの記事では、日本アカデミー賞がおかしいと言われる理由と、選考基準および評価方法について調査しました。
気になる方のお役に立てれば幸いです。
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日本アカデミー賞はおかしい?
昔から「おかしい」と言われ続けている、日本アカデミー賞。
まずは歴代の受賞作品を見てみましょう。
歴代の作品賞受賞作
日本アカデミー賞の歴代の最優秀作品賞をまとめてみました。
回 | 最優秀作品賞 | 配給会社 |
---|---|---|
第46回 | 「ある男」 | 松竹 |
第45回 | 「ドライブ・マイ・カー」 | ビターズ・エンド |
第44回 | 「ミッドナイトスワン」 | キノフィルムズ |
第43回 | 「新聞記者」 | スターサンズ |
第42回 | 「万引き家族」 | ギャガ |
第41回 | 「三度目の殺人」 | 東宝 |
第40回 | 「シン・ゴジラ」 | 東宝 |
第39回 | 「海街diary」 | 東宝 |
第38回 | 「永遠の0」 | 東宝 |
第37回 | 「舟を編む」 | 松竹 |
第36回 | 「桐島、部活やめるってよ」 | ショウゲート |
第35回 | 「八日目の蝉」 | 松竹 |
第34回 | 「告白」 | 東宝 |
第33回 | 「沈まぬ太陽」 | 東宝 |
第32回 | 「おくりびと」 | 松竹 |
第31回 | 「東京タワーオカンとボクと、時々オトン」 | 松竹 |
第30回 | 「フラガール」 | シネカノン |
第29回 | 「ALWAYS 三丁目の夕日」 | 東宝 |
第28回 | 「半落ち」 | 東映 |
第27回 | 「壬生義士伝」 | 松竹 |
第26回 | 「たそがれ清兵衛」 | 松竹 |
第25回 | 「千と千尋の神隠し」 | 東宝 |
第24回 | 「雨上がり」 | 東宝 |
第23回 | 「鉄道員(ぽっぽや)」 | 東映 |
第22回 | 「愛を乞う人」 | 東宝 |
第21回 | 「もののけ姫」 | 東宝 |
第20回 | 「Shall we ダンス?」 | 東宝 |
第19回 | 「午後の遺言状」 | 日本ヘラルド映画 |
第18回 | 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」 | 松竹 |
第17回 | 「学校」 | 松竹 |
第16回 | 「シコふんじゃった」 | 東宝 |
第15回 | 「息子」 | 松竹 |
第14回 | 「少年時代」 | 東宝 |
第13回 | 「黒い雨」 | 東映 |
第12回 | 「敦煌」 | 東宝 |
第11回 | 「マルサの女」 | 東宝 |
第10回 | 「火宅の人」 | 東映 |
第9回 | 「花いちもんめ」 | 東映 |
第8回 | 「お葬式」 | ATG |
第7回 | 「楢山節考」 | 東映 |
第6回 | 「蒲田行進曲」 | 松竹 |
第5回 | 「駅 STATION」 | 東宝 |
第4回 | 「ツィゴイネルワイゼン」 | リトル・モア |
第3回 | 「復讐するは我にあり」 | 松竹 |
第2回 | 「事件」 | 松竹 |
第1回 | 「幸福の黄色いハンカチ」 | 松竹 |
今回が第47回ということで、本当に歴史ある映画祭ですね。
一覧表を見ると、配給会社の大手3社が目立ちますね。
こちらについては、後の章で触れていきたいと思います。
SNSの声
日本アカデミー賞に対して、SNS上では疑問や疑惑が広がっています。
本当に日本映画を発展のための賞なのか、企業のための賞なのか、と疑問視する声が多数ありました。
アメリカのアカデミー賞を見て、日本アカデミー賞のあまりの商業主義に辟易した。すべての映画を対象にせず、大型館である程度の上映がなされないと対象にならないことがまずおかしい。映画を愛してない。
— waemon (@waemon) March 17, 2023
これは個人的な偏見だけど、日本レコード大賞も日本アカデミー賞も配給会社やレーベルといった売り手側の談合による受賞結果で消費者の民意は一切反映されてない出来レースだと思ってる
— fullbocco (@fullbocco_bokko) November 24, 2023
日本アカデミー賞
— 藤原わさび (@fujiwara_wasabi) January 25, 2024
選ばれる賞や人、明らかすぎて🤦♀️
出来レースにも程がある…
日本アカデミー賞はおかしいと言われる理由
【理由①】大手3社の偏り
毎年松竹・東映・東宝の大手映画会社3社の配給作品に、ノミネート作品や受賞作品が偏っています。
日本アカデミー賞は松竹・東映・東宝の宣伝イベントとも言われるほど。
前章での歴代最優秀作品賞を見てもわかりますが、特にノミネート作品の時点で偏りが見られます。
直近3年のノミネート作品、それぞれ5作品のうちどれだけ大手3社の作品が選ばれているか見てみましょう。
2023年(第46回 | 東宝2作品、松竹3作品 |
2022年(第45回) | 東映1作品、松竹2作品 |
2021年(第44回) | 東宝2作品、松竹2作品(うち1作品は角川と共同) |
「たまたまこういう結果になっただけ」、と言われてもなかなか世間は納得できなさそうですね。
【理由②】企業が主体の投票
日本アカデミー賞は、映画評論家や一般の映画ファンが投票する賞ではなく、条件を満たした日本アカデミー賞協会の会員によって投票されます。
その会員の約8割が組織人で、ほとんどが大手映画会社の役員・会社員となっています。
日本アカデミー賞協会の会員資格については、公式サイトで下記のように書かれていました。
日本アカデミー賞協会の会員は現在も含め映画事業に継続して 3 年以上従事し、当協会で定めた
membership.pdf (japan-academy-prize.jp)
運営・実行委員、または賛助法人の推薦を受けた者とする。
映画業界従事者全員というわけではなく、条件を満たしさらに協会に選ばれた人が会員となり投票の資格を得るようです。
当然自社の配給作品に投票する人が多くなり、小さい配給会社には勝ち目はないように思えますね。
ちなみに、アメリカのアカデミー賞では、撮影賞はカメラマンが、俳優部門は俳優だけでノミネートを決めるという、”同業者”による投票システムのようです。
同じ”同業者”による投票でも、投票する側の見方が変わってきますよね。
【理由③】価値が低い?
映画の本当の内容や演技の良さを評価していない、といわれているので賞としての価値が低くなってしまい、日本アカデミー賞は意味がない、「おかしい」と言われるようです。
日本アカデミー賞は、「疑惑の多い賞」として定着してしまっているので、キネマ旬報ベスト10や毎日映画コンクールなどの映画賞の方が信頼性があり、価値があると世間で認知されています。
日本アカデミー賞の選考基準とは?
日本アカデミー賞の公式サイトに掲載されている、選考基準はこちら↓。
・対象期間中、東京地区に於いて有料で初公開された40分以上の劇場用 劇映画及びアニメーション作品。
・劇場公開を目的に製作された新作で、東京地区の同一劇場で1日3回、かつ2週間以上映画館のみで連続して上映された作品
・ドキュメンタリー、特別興行、イベント上映、再上映、映画祭のみで上映された作品は除きます。
・モーニング・レイトショーのみの作品は除きます。
・洋画のアニメーション作品は、外国作品賞の対象となります。
・撮影賞と照明賞は同一の作品で対象となります。
・同日含め先に配信、TVで放送されたもの及びTV放送の再編集劇場版は新作とみなしません。但し、放送後に新たに撮影された部分が大半の場合は、新作とします。
・邦画洋画の区別は、日本アカデミー賞協会の基準に基づいて判定しています。
・新人俳優賞は、これまで日本アカデミー賞において受賞歴がなく、原則として映画初出演でなくとも主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象とします。
対象作品は以上の選考基準のもと、各々の作品について、協会が確認・判断の上決定します。
https://japan-academy-prize.jp/japes/public/search/japanese#senkojijyun
対象期間の2023年1月1日~12月31日に公開された作品で、上記の選考基準を満たした作品が対象となります。
同じ劇場で1日3回以上かつ、2週間以上持続して上映や上映時間が1作品40分以上など、かなり細かい基準があるようですね。
選考方法はこちら↓。
●日本アカデミー賞優秀賞・・・協会員全員が全部門(新人賞を含む16部門すべて)を投票。
正賞15部門の優秀賞受賞者及び受賞作品(各5名または5作品)並びに男女各3~5名の新人賞を決定。
●日本アカデミー賞最優秀賞・・・先に決定した15部門優秀賞受賞者及び受賞作品を対象に協会員全員が最終投票を行う
最優秀賞の投票結果は、授賞式まで厳重に保管されるそうです。
まとめ
この記事では、日本アカデミー賞がおかしいと言われる理由と、選考基準および評価方法について調査しました。
●日本アカデミー賞がおかしいといわれる理由
①大手3社の偏り
②企業主体の投票
③価値が低い
●選考基準
・2023年1月1日~12月31日の1年間に公開された作品
・同じ劇場で1日3回以上上映
・2週間以上持続して上映
・上映時間が1作品40分以上など
いかがでしたでしょうか。
いよいよ明日3月9日に授賞式が開催されますが、今年こそ視聴者や国民が納得するような結果になるのか注目です。
賞を獲る獲らないを別にしても、様々な素敵な映画作品が世間に知られるきっかけになればいいですね。
今後も、私たちを楽しませてくれる映画が増えますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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