2024年1月5日に、東京・豊洲市場で新年恒例の「初競り」が行われました。
今年も最高値は青森県・大間のクロマグロで、1億1424万円で競り落とされ、1億円を超えるのは2024年以来4年ぶりとのことです。
最高値のマグロを釣り上げたのは、大間の漁師・菊池正義さんだそうですが、1億円越で競り落とされたマグロの漁師さんの取り分はいくらなのか気になりますよね。
また、なぜ初競りの歴代のマグロはこんなにも高いのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、初競りのマグロ漁師さんの取り分や、初競りマグロが高額な理由を調査しました。
気になる方のお役に立てれば幸いです。
マグロ初競り2024漁師(釣った人)の取り分・割合はいくら?
さっそく、2024年の初競りで落札されたマグロの大きさと値段を、昨年と比較してみてみましょう。
一番マグロを釣り上げた漁師さんの、取り分も計算してみました。
2024年一番マグロの値段と大きさ
2024年の一番マグロの値段は1億1,424万円で、昨年の3604万円を大きく上回りました。
これは記録の残る1999年以降で4番目に高い値段で、1億円を超えるのは2020年以来4年ぶりだそうです。
2024年の一番マグロの大きさは238kgで、昨年2023年は212kg。
漁師の取り分
では、2024年の一番マグロを釣り上げた漁師さんの取り分はどうなっているでしょうか。
初競りでの落札額1億1,424万円のうち、
大間漁協に4%・・・456万9600円
青森県漁連に1.5%・・・171万3600円
豊洲市場(卸売業者)に5.5%・・・628万3200円
が支払われ、残金の1億167万3600円を釣り上げた漁師が受け取ります。
ただし、所得税45%、住民税約10%ほどを納付することになるため、漁師さんの手元に残るのは約4570万円になります。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
900万円超~1,800万円以下 | 33% |
4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
(No.2260 所得税の税率|国税庁 (nta.go.jp)参照)
始めの取り分からかなり減ってしまったとはいえ、高額ですよね。
しかし一番マグロの取り分を漁師さんは、船の借金の返済や修繕費にあてるなどの使い道があるようで、贅沢し放題というわけではなさそうですね。
マグロ初競り歴代の落札価格と漁師の取り分
マグロ初競り歴代の価格と漁師の取り分を表にまとめてみました。
取り分は、諸費用や税金を差し引いたおおよその金額を記載しています。
年 | 落札価格(円) | 重さ(kg) | 漁師の取り分(円) |
---|---|---|---|
2023 | 3604万 | 212 | 約1603万 |
2022 | 1688万 | 211 | 約856万 |
2021 | 2084万 | 208.4 | 約927万 |
2020 | 1億9320万 | 276 | 約7737万 |
2019 | 3億3360万 | 278 | 約1億3360万 |
2018 | 3645万 | 405 | 約1622万 |
2017 | 7420万 | 212 | 約2970万 |
2016 | 1400万 | 200 | 約710万 |
2015 | 451万 | 180.4 | 約280万 |
2014 | 736万 | 230 | 約458万 |
2013 | 1億5540万 | 222 | 約6223万 |
2012 | 5649万 | 269 | 約2262万 |
2011 | 3249万 | 342 | 約1445万 |
2010 | 1628万 | 232 | 約927万 |
2009 | 960万 | 128 | 約487万 |
2008 | 607万 | 276 | 約378万 |
2007 | 413万 | 206.6 | 約257万 |
2006 | 469万 | 293 | 約292万 |
2005 | 585万 | 234 | 約364万 |
2004 | 393万 | 151 | 約224万 |
2003 | 638万 | 228 | 約397万 |
2002 | 280万 | 215 | 約224万 |
2001 | 2020万 | 202 | 約1024万 |
2000 | 450万 | 196 | 約280万 |
マグロ初競りはなぜ高い?
マグロの初競りが高額なのには理由があります。
まず1つ目は、「ご祝儀」です。
市場において一年の最初に行われる初競りは、その年の景気を占う意味もあり「ご祝儀相場」と呼ばれています。
初競りでは新年のお祝いの意味も込めて、普段よりも上乗せして落札します。
マグロだけなく、メロンやみかん、ぶどうなどの果物でも高値で競り落とされることがあります。
しかし、昔は「ご祝儀」と言っても、マグロの価格は普段の2割増しになる程度で、それがニュースになることはなかったようです。
しかし2001年、当時のマグロの価格としては最高値の「2020万円」が出たことで、世間のマグロの初競りに対する見方に変化。
2001年の2020万円ものマグロの産地・青森県の大間にも注目が集まり、「日本一のマグロの町」として全国に知られるようになり、「大間マグロ」というブランドが誕生。
それから、初競りで最高値をつけたマグロは「一番マグロ」と呼ばれるようになり、さらに価値が上がったと思われます。
2つ目は、「初物」には価値があるからです。
日本では昔から初物を食べると寿命がのびる、福を呼ぶと考えられ、縁起が良いとされているので、価値があるものと思われています。
また、初物は数も少なく希少価値が高いため、高値で取引されます。
3つ目は、「宣伝効果」です。
初競りで一番マグロを落札したとなると、新聞やテレビ、ラジオ、ネット記事などの様々なメディアで取り上げられます。
ニュースなどのメディアで、一番マグロを落札した会社やお店の名前が出ると宣伝と同じ効果が得られ、高額で落札をする価値があるとのことです。
例えば15秒のCMを放送しようとすると、制作費もあわせて数十万〜100万円ほどかかり、タレントを起用となるとさらに高額に。
ただの話題作りというよりかは、しっかりと計算されて落札されているようですね。
まとめ
この記事では、初競りのマグロ漁師さんの取り分や、初競りマグロが高額な理由を調査しました。
●2024年の一番マグロの
値段は1億1,424万円、大きさは238kg
●2024年の一番マグロを釣り上げた漁師の取り分は、約4570万円
大間漁協に4%
青森県漁連に1.5%
豊洲市場(卸売業者)に5.5%に支払い、さらに税金で約55%引かれた残金。
●初競りのマグロが高額な理由
①初競りは「ご祝儀相場」
②初物に価値がある
③大きな宣伝効果
いかがでしたでしょうか。
釣り上げたマグロが1億円以上で落札され、一晩で数千万円を稼ぐと聞くと夢のあるお話ですよね。
初競りのマグロが、ご祝儀や初物という理由で値段が上がるというところは、いかにも日本らしい気がします。
今回の初競りのニュースで今年一年、明るく活気のあるニュースがたくさん増えれば嬉しいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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