本展は、宮内庁が所管する皇室ゆかりの作品の中から、天皇陛下御即位の儀式に際して東山魁夷、高山辰雄が平成2年(1990)に制作した「悠紀・主基地方風俗歌屛風」や、天皇皇后両陛下が外国御訪問の際にお持ちになって紹介された作品などを展示するものです。両陛下がお伝えになった日本文化を通して、海外の様々な人々が、わが国への親しみと交流を深めてきました。御即位30年という記念すべき年に、両陛下が担われた文化交流についてご紹介します。

主な作品① 御即位に関連する作品

「悠紀・主基地方風俗歌屛風」
六曲二双 平成2年(1990) 宮内庁用度課所管

「天皇陛下御即位に際して平成2年(1990)に挙行された大嘗祭の際に用いられた儀式用屏風で、悠紀地方の秋田県と主基地方の大分県の四季風俗が描かれたもの。悠紀地方を東山魁夷、主基地方を高山辰雄が担当しました。

悠紀地方風俗歌屛風(右隻)
悠紀地方風俗歌屛風(左隻)

「悠紀地方風俗歌屛風」 東山魁夷筆 ※3月5日(火)~31日(日)展示

主基地方風俗歌屛風(右隻)
主基地方風俗歌屛風(左隻)

「主基地方風俗歌屛風」 高山辰雄筆 ※4月2日(火)~29日(月・祝)展示

主な作品② 歴代皇后陛下が伝えたご養蚕

「養蚕天女」
高村光雲作 大正13年(1924) 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

皇居紅葉山御養蚕所では、近代以降の歴代皇后が、明治期に照憲皇太后が始められた皇室御養蚕を引き継がれています。本作品は、純国産種の繭・小石丸を手にし、頭には蚕蛾の宝冠をつけ、足下には桑の葉が添えられた、優美な女神像であり、御養蚕の守護神として制作されたものです。作者は、近代彫刻を牽引して活躍した高村光雲。光雲は皇室の御用も多く手がけました。本展では、皇后陛下が大切にされてきた御養蚕の伝統と日本文化の関わりを紹介します。

養蚕天女

※3月5日(火)~31日(日)展示

主な作品③ 天皇皇后両陛下の外国御訪問時に紹介された名品

小栗判官絵巻

※会期中、巻替あり、写真は10巻(部分)

「小栗判官絵巻」
岩佐又兵衛筆 15巻のうち2巻(10巻、15巻) 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

近年、人気の高い江戸時代初期の画家、岩佐又兵衛(1578-1650)とその工房により制作された絵巻。全15巻、全長約324メートルにも及ぶ大作で、近世初期の優品です。主人公の小栗と照手姫の恋愛譚を中心として、浄瑠璃の語りそのままに画面が展開するユニークな絵巻です。今上天皇が平成10年(1998)の英国、平成17年(2005)のノルウェー国御訪問の折に、紹介、展示されました。

主な作品④ 天皇皇后両陛下の外国御訪問時に紹介された名品

「花鳥十二ヶ月図」
酒井抱一筆 12幅 江戸時代・文政6年(1823) 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

酒井抱一(1761~1828)が文政6年(1823)に制作した作品。花鳥図や草花図を得意とした抱一には、数種類の同主題の作品が知られますが、本作は構図が整い配色も鮮明な優品で、日本の四季の美しさを瀟洒ながら優美に表した作品です。今上天皇が平成21年(2009)のカナダ国御訪問の折に、紹介、展示されました。

花鳥十二ヶ月図

※4月2日(火)~29日(月・祝)展示、写真は三月と四月

主な作品⑤ フランス国で開催された御養蚕についての展覧会で紹介された御品

赤縮緬地吉祥文様刺繍振袖

※3月5日(火)~31日(日)展示

「赤縮緬地吉祥文様刺繍振袖」
昭和10年(1935)

天皇陛下2歳のお誕生日のお祝いに、昭和天皇より拝領された御着物です。金糸を用い、鶴や菊花、竹などの吉祥文様を刺繍で表した格調高い御品です。

イヴニングドレス

※4月2日(火)~29日(月・祝)展示

「イヴニングドレス」

平成10年(1998)のデンマーク国、平成12年(2000)のスウェーデン国を御訪問になった際にお召しになったもの。佐賀錦によるマーガレットと百合の文様が配されています。

宮内庁三の丸尚蔵館について

皇居東御苑内、大手門近くに位置する三の丸尚蔵館は、皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類が平成元年(1989)6月、国に寄贈されたのを機に、これらを環境の整った施設で大切に保存・管理するとともに、調査・研究を行い、併せて一般にも展示公開することを目的として、平成5年(1993)11月3日に開館しました。その後、故秩父宮妃のご遺贈品、香淳皇后のご遺品、故高松宮妃のご遺贈品、三笠宮家のご寄贈品が加わり、現在約9,800点の美術品類を収蔵し、テーマに沿った展示を通して、公開されています。

宮内庁三の丸尚蔵館